整備士の平均年収は本当に低いの?年収を上げるには?

整備士の平均年収は?

日整連が公開している資料を見ると整備要員の平均年収は下記の通りです。
:整備士資格を持たずに整備業務を行う者も含む。以下簡単のため整備要員を整備士と読み替えます。

整備要員の平均年収(令和2年)
専業・兼業365万円
ディーラー466万円
平均396万円
出典:日整連 / 令和2年度版 自動車整備白書 / 整備要員の平均年収(令和2年)

ディーラーの方が圧倒的に条件が良いようにも思えますが、ディーラーは専業・兼業に比べて「整備士の平均年齢が15歳若い(=行える作業量が多い)」「都市部の拠点が多い(=年収が高くなりやすい)」という要因も大きく関係していると推察されます。

整備要員の平均年齢(令和2年)
専業・兼業50.2歳
ディーラー35.7歳
平均45.7歳
出典:日整連 / 令和2年度版 自動車整備白書 / 整備要員の平均年齢(令和2年)

他の職業と比べて低い?

twitterでは「国家資格なのに低すぎる」「社会に不可欠なのに低すぎる」という整備士たちの意見をよく目にします。車屋の経営者としても強く共感するのですが、他業界に目を移しても「国家資格」「社会に不可欠」ということと平均年収は関係がないようです。

国家資格の平均年収

  • 美容師:300万円
  • 保育士:320万円
  • 調理師:330万円
  • 歯科衛生士:360万円
  • 管理栄養士:370万円

エッセンシャルワーカーの平均年収

  • 医療事務:290万円
  • ゴミ収集員:330万円
  • スーパーの店員:350万円

整備士の平均年収396万円が「高い」か「低い」かは主観によりますが、最近話題になったこちらのツイートを見る限り若者にとっては「高給取り」だと認識されているようです。

おそらく「結婚しなくても良い」「子供を持たなくても良い」という社会的価値観の変化が「年収300万円でも良いよね、年収400万円は高給取りだよね」となった一因だと推察されます。

平均年収が決まるメカニズムは?

以前、twitterでライブ配信をしていたフォロワーさまが「整備士の平均年収はどんな仕組みで決まってるのかな?」と投げかけてたので思わず配信に参加して発言したことがあります 笑

ひとことで言うと「需要と供給のバランス」で決まります。これは経済学における「商品の価格が定まるメカニズム」と同じです。

つまり、「このくらいの年収なら整備士を雇いたい」という車屋と、「このくらいの年収なら車屋で働きたい」という整備士との間で、無意識の内にオークションが行われているイメージです。つまり、平均的な整備士が求めているのが年収396万円ということです。

「整備士」「美容師」「パティシエ」など、過去に大きく人気になった職業は「待遇が悪くても働きたい」と考える方が多いので年収が上がりづらいという側面もあります。

整備士全体の年収を上げるには?

2つの可能性について考えます。

整備士が減るのを待つ

先ほど説明したように整備士の平均年収は「需要と供給のバランス」で決まります。理論的には、供給(整備士数)が大きく減ると整備士全体の年収が上がります。

しかし、実際のデータを見る整備士数に大きな変化はありません。

平成27平成28平成29平成30令和1年令和2年
整備要員数401,001400,713399,717399,374399,135399,218
うち整備士数339,999334,655336,360338,438336,897339,593
出典:日整連 / 令和2年度版 自動車整備白書

これはおそらく日整連やディーラー等が整備士を増やすように尽力しているからだと考えられます。「外国人整備士」「女性整備士」を増やす活動がそれです。なので、平均年収を50万円〜100万円上げるほど整備士が減る未来はすぐには来ないのではないかと考えられます。

国が整備士の最低時給を定める

国が「整備士の最低時給を2,000円にする」と法律で定めると整備士全体の年収が上がります。しかし、他の業界でも聞いたことが無いので全く期待できません…。

整備士個人の年収を上げるには?

「整備士全体の年収を上げる」というのが現実的ではない以上、整備士個人の年収を上げる方法を考えるしかありません。

森本モータースさまもYouTubeのライブ配信で言及されていますが、「転職」「独立」「副業」が選択肢となります。現在の勤務先の評価制度が明瞭で「どのようにしたら年収が上がるか」が明確であれば良いのですが、そうで無い限りは外に活路を求めることになります。

https://note.com/mmotors/n/nd820cf1e00c5

転職する

これが一番簡単な手段です。twitterでも「転職したら仕事内容も勤務時間も変わらないのに年収50万円以上増えた」という整備士をちょこちょこ目にします。

整備士の有効求人倍率が4.5倍に達し、誰でも簡単に転職して年収を上げられるオイシイ職業になってきました。

自動車整備要員の有効求人倍率は4・5倍で、全職種の1・01倍を大きく上回り

https://www.yomiuri.co.jp/economy/20210928-OYT1T50162/2/

そのため、転職活動などもせずに「整備業界はクソ」と言う整備士に対してtwitterでは厳しい声も上がっています。努力すらしない人に自分の職業を貶されるとそりゃ腹が立ちますよね。

独立する

「技術者は独立してこそオイシイ」というのが持論です。美容師・料理人・医師などと同様に整備士も独立が当たり前の職業。

リスクをある程度回避しつつ着実に売上を増やす方法はありますし、年収1,000万円以上を当たり前に目指せるのが独立の魅力。

  • リスクをある程度許容できる
  • 年収600万円以上を目指したい
  • 人から使われたくない

などに当てはまるなら独立を検討する価値はあります。

いきなり独立するのはハードルが高いと思いますので、まずは車屋さんがたくさん情報発信しているtwitterで情報収集をするのがオススメです。

副業する

昨今の「働き方改革」の流れで「生活残業ができなくなって年収が減っている」というのはどの業界でも聞く話で、それへの対応として副業をする人が増えているというのが体感です。

フォロワーさまで多い副業はやはり整備の副業ですね。ガソリンスタンドで働いたり、知り合いの整備工場で働いたり、個人で出張整備をしたりといった感じです。体力的に大変だなと感じますが、巷にはびこっている怪しい副業とは違って確実に稼げるのが魅力ですね。

まとめ

整備士の平均年収は他の職業と比べても特別低くはないようです。整備士個人の年収を上げるには「転職」「独立」「副業」の中からご自身に合うものを選択してみてください。

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